2013/11/12

古典部の作者講演と交流イベント(1日目・八王子中央大学編)

11月2日~3日は恐らく真の舞台探訪者だったら、広島県竹原市に出かけてたまゆらイベントを楽しむというのが本徳なのかと思ったんですが、自分はまだ探訪も出来てないのにイベントには行けないリスクと、3日掛川は加茂花菖蒲園内の加茂荘にて『氷菓』の交流イベントが行われるということで、コチラは優先していきたかったこともあり、ソチラを取ることにしました。

更にラッキーだったことに、その前、2日に東京都八王子市の中央大学で行われる第47回白門祭という学祭にて、氷菓(古典部シリーズ)の原作者である米澤穂信先生の講演会が行なわれることになりました。

各々日帰りで行って帰るか、それとも道が繋がっているのでクルマで行って泊りがけにするか、物凄く悩みましたが、翌日の加茂荘・氷菓イベントが10時スタートということで、今回泊まりを選びました。来週の小諸で行われる『あの夏で待ってる』イベントが土日連続でイベントがあり、宿泊必須だったこともあって苦渋の決断でしたが、掛川は昨年から日帰りで行って戻るのが通例なので、なかなか無いチャンスだと思い後者を選ぶことにしました。

圏央道あきる野ICを降り、八王子バイパスを経ると橋本駅に簡単に行けちゃうんです。そこから、京王相模原線・多摩モノレールを往復し中央大学に立ち寄ります。更にラッキーだったのが、圏央道が海老名から更に相模原まで延びて、相模原愛川ICから東名にそのまま乗れることも幸運でした。
(相模原愛川-高尾山まで延伸すると丁度半円の頂上まで全通することになります。頂上は桶川北本・白岡菖蒲の辺りなので、全通すると今後どんどん圏央道が便利になっていくんですが……)

大学のイベントに行くのは久々です。姉貴の大学に行ったきりかな?自分は大学には進まなかったので、中・高・大の文化祭の中では一番華やかだし、しっかりとしたものが見れてオッサン歳になった自分にはまだまだ大学の学祭は華やかに思うんです。中央大学の白門際はパンフレットを読む限り、漫画研究会やアニメーション研究会と趣味に合うイベントもあって、1日中参加できそうでしたが、翌日には奥 華子さんのライブも開催される素敵な大学イベントになりそうです。

模擬店が多かった学祭ですが、お昼は学食で食いました。ハンバーグとコロッケの鉄板での定食がなんと450円で食えたのは正直ありがたい話でした。

実は大学には午前中から入っていました。見学もしたかったのですが、今回の講演会では米澤先生のサイン会が行われ先着50名に著書を持参すればOKというもの。当日になって100人に増やしたそうですが、サイン欲しくて講演会場である8206号講義室に早くから群がってしまい、主催者側から蹴散らされました。そのおかげで昼飯も食えて、講演に望めた訳ですが……(蹴散らされてなければ、あのまま昼飯食えなかったでしょう)。

なんとかサイン券を貰える100人に入り、先生の講演を聞きます。サインの欲しい方は随分多く、瞬殺だったと聞きました。古典部シリーズのほかにも様々な著書を持ちますので、米澤穂信先生のファンだったら押しかけてくるんだろうなぁ。去年の今頃は国立の大学で講演会やってますし……。

14:00、いよいよ米澤穂信先生が講義室内に入り、講演スタート。

テーマは、『謎と小説―ミステリーができるまで』。
司会者と進めるパターンではなく、1人で壇上で講義するというはじめてのパターンだそうです。

でも、技術披露や組み方を話してもつまらないし、今後のこともあるというので、作家になるまでの経緯を踏んだうえでミステリーを作っていくものになりました。聴講者に問題(謎)を解かせるものではなく、どっちかといえば米澤穂信先生の人となりがわかるものでした。自分は氷菓で米澤作品に入った者ですが、前者のようなことをしてもまったくわからない(探偵になれない)ので、今回の講義方法が有難かったです。
家族のこと、書店員時代のこと、出版社との編集員のことなどを順に追ってお話されていますが、中でも出版社の編集者2名と米澤先生の三者面談が大変興味深かった。角川書店は当初スニーカー文庫ミステリー倶楽部にて古典部シリーズを出していたのですが、今でこそライトノベルでのミステリーはアリなのですが、立ち上げた当初はなかなか売るのが大変で、レーベルが消えてしまいました。その時「角川書店は米澤穂信を世に出せなくて申し訳ない」と引き下がったんだそうです。もう一方の出版社編集員は「これは米澤穂信を出さなくてはならない」という使命感があり、そちらで出してきたんだそうです。でも、角川書店側も「申し訳ない」と言いつつも、一般用の小説で古典部シリーズは復帰され、2012年のアニメ化でコミックともタイアップ。10年もかかったのか……頷きました。

今回の講演会で参考となった雑誌が、今回売切という本屋もあった小説・野性時代11月号。米澤穂信特集が講義内容と照合していくうちに「なるほど」と思いました。講義が無ければ谷川 流と佐藤聡美のインタビュー、あと古典部の新作短編である『長い休日』を楽しむだけで終わっていたかもしれません。

15:00からは質疑応答に入りました。
楽しくやりましょう!ということで、作品内容でわからないコトの質問が殆どだったかな?Twitterのことも触れている方もちらほらいたし(プリンターの戦い)、中高生に読ませたい米澤作品は?という質問も。氷菓が人気な一方で(そういえば、今年の大学入試に手作りチョコレート事件が国語の問題で取り上げられてたなぁ)、『さよなら妖精』や『追憶五断章』も高校生として読むにはおススメとも聞きました。

自分はどっちかといえば、コンテンツーリズムの研究をにわかにやっているので……
「本年の生きびな祭りに参加されたと聞いた。その随想を。見た当初と小説にしてとの味方の違いが、わたし、(物凄く)気になります!」
と質問してしました。
米澤先生の岐阜時代のライフワークで小説書いていた頃は家、学校、書店しか行き来することが無く、地域のお祭りを見ることが無かったんだそうです。そのため、この先東京に住むことになってからは自分の住む地域のお祭りに参加しようと決めたそうです。水無神社の宮司さんからも好印象を頂け、成長してみるお祭りには再発見するものがあるという返答でした。

質疑応答の方が時間の流れはあっという間に過ぎて講演会はお開きとなりました。

その後1時間半ぐらいかかってサイン会が行われました。

初サインだったので、自分は迷わず『氷菓』にサインを入れてもらいました。明日の交流会対策もあって、氷菓と野性時代は持ってきました(高山に行くときは古典部全ての本を持って行くけどねぇ……)。掛川編だと千反田宅が数割を登場するので『氷菓』にしました。『遠回りする雛』も考えたんだけど、やっぱデビュー作にこそサインをいれるべきだろうと思いました。筆記具は金、銀、黒が選べましたが金銀はインクの乗り次第では崩れてしまう恐れがあったので、ノーマルに黒にしました。入れて貰った場所は本書とびら入ってすぐの空白の場所。とびらが裏写りするけど、まぁ仕方が無いやね。

サインを頂いて講義室の外に出た時はもう夜の帳が降りていました。

行った道の往復帰りで橋本まで戻ります。

コインパーキングで1000円上限の駐車場に止めたので、滅多に行けない橋本ともあったので、夕飯を食って、最近の橋本界隈をぶらぶらと歩きました。印象強く残っているのはArio橋本かな?店舗内に駐車場も完備したタイプなので大きく作られていましたし、エレベーターも4ヶ所に3基づつ12台稼働してて、まだこの時代のArioは大きかったなぁと思うんです。埼玉では4ヶ所Arioがありますが、Ario西上尾は小さく平面駐車場の方が断然広く取ってあるのか、情けなく感じるんですよね。

20時前には橋本を経ち、先に掛川入りするので約2時間半の圏央・東名ドライブとなります。途中海の見える由比PAで休みましたが、夜じゃ全然意味がないですね……。22:30過ぎには掛川に入り、今年OPENのドーミーインEXPRESS掛川に宿泊しました。運転で疲れた時の無料で食える『夜泣きそば』が大変美味しかったです。

ホテル堪能をしているうちに日付が変わってしまいました。

いよいよ日曜日は加茂荘で氷菓イベントですが……そのレポートは次のエントリーで。

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